【生物基礎】獲得免疫「T細胞とB細胞の由来」を解説

ココケロくん
結局「T細胞」のTが何なのか教えてもらえないまま、時がすぎている・・
ココミちゃん
ちょっと。私のこと責めてるの?
ココケロくん
いやー、そういうわけじゃないんだけど、待ち遠しかったんだ。
ココミちゃん
まあ、遅くなったのは謝るわ。じゃあさっそくいきましょう。T細胞とB細胞の話だったわよね。ところでこの2つの細胞はあるカテゴリーでひとくくりに出来るのだけど、わかる?
 
ココケロくん
え?
ココミちゃん
うん。じゃあまずはそこからやりましょ。
 
 
 
 
 
 
骨の中には骨髄と呼ばれる部分があり、そのなかには「造血幹細胞」と呼ばれる細胞が存在しています。
造血幹細胞は様々な細胞に分化する能力を持っており、「樹状細胞」「マクロファージ」「好中球」に代表される「食細胞」のグループと、
「T細胞」「B細胞」「NK(ナチュラルキラー)細胞」に代表される「リンパ球」のグループとに分かれます。
 
 
 
ココケロくん
あ、てことは、B細胞もT細胞もどちらも「リンパ球」ってこと?
ココミちゃん
そういうことね。ちなみに私たちが一般的に言う「白血球」というのはこの「食細胞」と「リンパ球」の全てをひっくるめている場合が多いわ。さて、ではT細胞とB細胞ね。
ココケロくん
うん!いよいよだ!
 
 
 
 
先ほど出てきたように、骨髄の造血幹細胞からT細胞もB細胞も分化します。
しかし、その分化する「場所」が異なります。
B細胞は骨髄で分化し、骨髄で成熟します。
一方、T細胞の場合、骨髄の造血幹細胞は「胸腺」に移動し、胸腺にて分化・成熟していきます。
 
 
 
ココミちゃん
つまりB細胞とT細胞は分化・成熟する場所が違うの。だから名前もその「場所」からついてるわ。
ココケロくん
あ、骨髄だからBoneのBっていう?
ココミちゃん
Boneだけだと「骨」だけど・・。まあでもそういうことね。骨髄の「Bone marrow」、胸腺の「thymus」からBとTの名前がついてる。
ココケロくん
ほーん。じゃあ「骨髄細胞」と「胸腺細胞」みたいな感じなんだ。あれ、じゃあどうしてわざわざT細胞は胸腺に行くんだろ?骨髄に造血幹細胞がいるならずっと骨髄にいたほうが、楽じゃない?
ココミちゃん
今日はなかなか冴えてるわね。待ってたというだけのことはあるわ。T細胞は適応免疫において、重要な役割を持っていたわよね?覚えてる?
ココケロくん
えーと、抗原提示を受けて、抗原を認識する・・?
ココミちゃん
その通り。そこを説明するために、「適応免疫の特異性」をもう少し細かく見ていくわよ。