【センター試験生物基礎】対策&予想問題:第2問

ココケロくん
生物基礎の第2問ってあれだよね、一番苦手な。。。
ココミちゃん
教科書でいう「体内環境」のところね。生物基礎の教科書では一番厚い部分とも言えるわ。
ココケロくん
どこから手をつければ・・
ココミちゃん
「酸素解離曲線」や「腎臓における原尿量の計算」、「血糖調節」とかの超頻出分野はもう解説したわよね。残る部分で大切なのは、やっぱり「体液の濃度調節」ね。

目次

超頻出⑴ 酸素解離曲線

酸素解離曲線は苦手意識を持っている受験生が多いですが、

>>酸素解離曲線の基本的な考え方はこちら

>>胎児のヘモグロビンと酸素解離曲線の関係はこちら

で説明をしています。ご確認ください。

超頻出⑵ 腎臓の原尿量計算

原尿量や再吸収率も受験生を悩ますテーマですが、

>>腎臓における原尿量計算はこちら

公式に頼らずに解説をしています。

超頻出⑶ 血糖量調節

ホルモンと自律神経による血糖量調節に関しては、

>>血糖量調節のまとめはこちら

をご確認ください。

体液の種類とその移動

生物基礎で「体液」といったときに私たちが連想しなければならないのは3つ。

血しょう(血液の液体成分)

組織液

リンパ液

です。

さらにそれぞれの体液は場所によって名前が分かれており、

血管:血しょう

組織:組織液

リンパ管:リンパ液

となっています。

さて、ここで注目してほしいのは各体液についている矢印です。

この矢印はそれぞれで体液の移動があることを示しています。

組織液は血管とリンパ管に空いている穴から血しょう、リンパ液と混ざり合います。

さらに、心臓とつながっている血管は、心臓からのポンプの圧力(血圧)によって、

血しょうが血管から出てくることができます。

逆にリンパ管は心臓とは繋がっていないため、強く押し出す力が働かず、

「組織液←リンパ液」の流れはありません。

ココケロくん
んー、ってことは血しょうとリンパ液はあんまりやりとりがないのかな?

たしかにそう見えますね。

しかしリンパ液は左鎖骨下静脈で血しょうと合流します。

これは妙によく出題される内容ですので、押さえておいてください。

つまり、この3つの体液は、場所が違うために名前は異なりますが、

相互に移動しているためその成分はほとんど変わらないのです。

海産無脊椎動物の体液の濃度調節

よく出るのはカニのこのグラフですね。
皆さんも一度は見たことがあるかと思います。

着目すべきはまず「ケアシガニ」です。

クモガニとも呼ばれます。

赤線で書いたケアシガニのグラフは綺麗な直線になっています。

綺麗な直線になるためには、「縦軸が0.5」のとき「横軸も0.5」と

縦軸と横軸が常に同じ状態である必要があります。

これは縦軸である体液の塩類濃度と横軸である外界の塩類濃度が常に同じ状態であることを示しており、

外界の濃度に体内の濃度が完全に左右されているため、

体内の濃度調節能力を持たない、ということがわかります。

続いて、チチュウカイミドリガニです。

緑で示したグラフです。

このグラフは外界の塩類濃度が高くなりすぎると、先ほどのケアシガニのような直線となりますが、

外界の塩類濃度が低い淡水では、外界の塩類濃度と体内の塩類濃度が異なるため、

体内の濃度調節の能力を持っていることがわかります。

このチチュウカイミドリガニは「淡水と海水が混じり合う河口部分に生息

しています。

したがって、淡水部分とそこにやや海水が混ざった部分での体内調節が発達しています。

しかし、あまりにも海水に近くなるとその調節能力を超えてしまうということです。

海では生息していないということですね。

最後にモクズガニです。

モクズガニは外界の塩類濃度が低いときも高い時も、

体内の濃度を外界と変化させることができていますね。

モクズガニは「海と川を行き来して生活」しているため、

他のカニよりも体液の濃度調節の能力が高いのです。

魚類の体液の濃度調節

魚類の体液濃度調節は順番にしっかり考えると間違いません。

<海水魚>

①まず外界の濃度が高いため、水が体内から失われます。

②水が失われたため、魚類は海水を飲みます。

③しかし、海水には塩分(無機塩類)が多すぎるため、えらの塩類細胞で無機塩類をすてます。

③同時に、体液と同濃度の尿を少量排出します。

とにかく海水魚は「水不足」だということです。

したがって尿の量は「少量」です。

体内に入った海水の塩分を排出したいので、できれば体内より高濃度の尿を排出したいのですが、

魚類の腎臓はまだそこまで発達していないので、最大でも「体内と同濃度」なのです。

<淡水魚>

①外界の濃度が低い(淡水)ため水が体内に入ってくる。

②水が入ってきて体内が薄まるので、えらの塩類細胞から無機塩類を取り込む。

③体液よりも低濃度の多量の尿を排出する。

逆に淡水魚は「水が過剰で体内が薄まる」ことに困っています。

したがって尿の量は「多量」で、濃度は「体内より低濃度」になりますね。

予想問題

学習効率を優先し、すべて一文の正誤判定です。

 

【1】組織液、血しょう、リンパ液の成分はそれぞれ大きく異なる。

 

バツですね。説明した通りです。

この3つは移動できるので、成分はほぼ同じになります。

 

 

【2】リンパ液は動脈にて血しょうと合流する。

 

バツです。合流は鎖骨下静脈。「静脈」での合流になります。

 

 

【3】川と海を行き来する生物は、体液の濃度調節の能力が高い。

 

◯ですね。海水と淡水を行き来することになるわけなので。

例としてよくでるのが先ほど紹介したモクズガニです。

 

 

【4】海水魚は口から海水を飲まない。

 

 

バツですね。海水魚は水が奪われるため、海水を飲まざるをえません。

 

 

【5】淡水魚が塩類を吸収するのはえらのみである。

 

 

バツです。えらの塩類細胞から吸収もしますが、

食物中や水中の塩類を腸からも吸収します。