【高校生物】細胞を構成する成分の解説
ココミちゃんあら、ココケロくん。しばらく見ないうちに素敵な教科書持ってるわね。
ココケロくんおー、ココミちゃん!そうなんだ!ついに生物基礎から生物になったんだ。理系生物・・・なんとも知的な響き・・・。
ココミちゃんなるほどね。基礎のときよりも難しいから、頑張ろうね。
ココケロくんそうなんだよ〜〜〜〜。もういきなり最初のページからごちゃごちゃと・・。何を覚えればいいんだろう??
ココミちゃん「何を覚えるか」というよりも「どのように覚えるか」な気もするけど、まあいいわ。そうね、ココケロ君。生物は何を基本単位としてできてる?
ココケロくんきた!これはわかるぞ!
ココケロくん細胞!
ココミちゃん正解。すごいね。じゃあ、その細胞はどんな成分でできてるの?
ココケロくんええ?!
ココミちゃんそれが教科書の一番最初のお話。さ、一緒に確認しましょ。
ココケロくんうん!!
ココケロくんほとんど水だな!!
ココミちゃんちょっと、大きい声出さないの。資料によってはパーセンテージは少しずつ違うけど、概ねの割合はこんな感じね。ところで、こんなに水が多いって不思議よね。
ココケロくん水はそんなに便利な物質なのか?!
水には様々な性質がありますが、ここでは上記の3つを紹介します。
まずは①の「常温で液体である」という特性です。この特性こそが地球において生命が誕生する際の条件となりました。火星に水のあとが!とか、地下に凍った水があるらしい!とかでニュースになっているのを見たことがあるかもしれません。
水。特に常温で液体状態であれば、そこに様々な分子を溶かし込むことができます。
溶けたそれぞれの分子は互いに衝突による反応を起こし、溶媒としての水は化学反応の場となります。
「細胞」というのはその中で様々な化学反応を起こす袋ですので、化学反応の場としての水は重要なのです。
続いて②の「比熱が大きい」という特性です。
比熱という言葉の詳しい説明は物理に譲りますが、簡単にいうと「温度があがりにくい」ということです。
たとえばフライパンを火にかける。すぐに熱くなって煙がでてきます。
しかし、そこに水を入れる。すると水が100℃となり沸騰するまでには時間がかかりますね。
これにより、細胞内の急激な温度変化を抑制します。体内環境は大きく変動してはいけないのです。それを生物基礎では「恒常性」という概念で扱いましたね。
最後に③の「凝集力」です。化学的には水素結合によるものですが、水は繋がってうごきます。
とても当たり前に思うかもしれませんが、この性質があるからこそ、植物は根から「重力に逆らって」水を吸い上げることができます。
ココケロくんなるほどなあ〜。つまり細胞内の割合が一番大きい水が一番重要で、あとの成分は別にどうでもいいってことだね?
ココミちゃんそれは早とちりしすぎね。
ココケロくんええ!ちがうの!?だって1%とかのやつあるよ?!
ココミちゃん生体内は絶妙なバランスで成り立っている。多ければ良いというわけではないの。むしろ多すぎると害になることの方が多いわ。少ない割合だとしても生き物にはどれも必要な成分よ。
ココケロくんそうか・・。じゃあ、水以外はどんな成分なの?
ココミちゃんそうね、ちょっと見てみましょう。
水の他には、大きく分けて「有機物」と「無機物」があります。
有機物としてはタンパク質や核酸(デオキシリボ核酸、リボ核酸などの総称です。)、脂質や炭水化物(糖質ともよばれます)など、重要な成分がたくさんあります。
また、「無機物」とはイメージとしては「金属」です。
金属なんて必要なの!?と思ったひともいるかもしれませんが、「鉄分が不足する」とか言いますよね。あれはまさしく鉄のことです。
しかし、実際に外で見るような「鉄」の形ではなく、イオンとして水に溶けていることが多いです。
これらのイオンが細胞のシグナル伝達を始め、様々な働きに関わっています。
ココケロくんそれぞれの詳しいことはまたどこかでやるんだよね?
そうですね。タンパク質にかんしてはこのあと扱いますし、脂質は細胞膜の成分ですので、膜構造の際に扱います。また、神経を扱う際に無機物イオンの話に触れます。
炭水化物については今後はあまり触れないかもしれませんが、「生物基礎 第3章」で扱います。
ココケロくんなるほどなあ。細胞ってだけ覚えてたけど、細胞のなかには色々な成分があるわけだ。そりゃそうだよなあ〜。
ココミちゃん最後に、ココケロくん。こうやってみてきたのは「動物細胞」なのだけど、「植物細胞」と「原核細胞」だと、細胞の化学組成はどうなると思う?
ココケロくんえ、おなじでしょ?
ココミちゃんふふ。ちょっとみてみる?
ココケロくんあれ??植物細胞は炭水化物が多くて、大腸菌は核酸が多い?
ココミちゃんそうね。ちなみにこれは重要なことよ。でも覚えるんじゃないの。考えるの。なぜそうなるのかを。
ココケロくんんーーーーーーーーーーーー
ココミちゃんじゃあこのあと、「問題演習」をやってみましょう。
次回、問題演習としてこれを扱います。
ご覧いただきありがとうございました。