【高校生物】「染色体・DNA・クロマチン」の違いを解説
ココケロくん核のなかにはDNAがある・・ふむふむ。あれ?核の中には染色体がある・・?クロマチン繊維が・・・???え??
ココミちゃんなにぶつぶつ言ってるの?
ココケロくん意味わからないことが書いてあるんだよ〜。核の中には結局なにがあるのさ!
ココミちゃんそのどれもが正しいことを言っているんだけどね。ちょっと整理してみましょう。
核の中にあるものは?
核の中にはDNAがあります。
ココケロくんそんなの知ってるよ〜〜!
では、核の中にはタンパク質はありますか?
ココケロくんええ?タンパク質?どうだろ・・核はDNAだけじゃない?
確認しましょう。
まず、核の中にはDNAがあります。
体細胞1個のDNAを引き伸ばすと、
およそ2メートルもの長さになります。
(なお、このDNAの全長計算問題は頻出です。
こちらの投稿をご覧ください。)
2メートルもの長さのものを、細胞の核1個の中に収納するために、
DNAはあるものに巻き付いています。
イメージは釣竿のリールです。
https://ja.wikipedia.org/wiki/リール_(釣具)
DNAは核内でヒストンと結合している
DNAはヒストンとよばれるタンパク質に巻き付いています。
リールに釣り糸を巻きつけておくイメージです。
また、DNAがヒストンに巻き付いている部分をヌクレオソームといいます。
そして、この構造全体を染色体と呼びます。
ココケロくん「染色体」ってのはつまり、「DNAとヒストン」を合わせたものの名称ってことか
ココミちゃんそうね。だから核の中にDNAはあるし、核の中に染色体もあるよね。
では、改めて、核のなかにタンパク質はありますか?
ココケロくんえーと、あ、ある!!染色体にタンパク質が入っているから!
正解です。
丸暗記ではなく、染色体とDNAの関係と一緒に整理しておきましょう。
クロマチン繊維と分裂時の染色体
クロマチン繊維とは、核内での染色体の状態を示す言葉です。
DNAがヒストンに巻きついた染色体は、
ヌクレオソーム同士が集まり、糸状になっています。
この糸状の染色体をクロマチン繊維といいます。
分裂を行なっていない時期(つまり間期)の細胞の核では、
染色体はクロマチン繊維の状態で存在していると考えられています。
そしてこの染色体の状態は、分裂期に変化します。
分裂期になると、細胞の核内の染色体は、
さらにぎゅっと、凝縮されていきます。
糸状だったクロマチン繊維が大量に集まり、棒状の染色体となります。
この状態が、我々に馴染み深い、いわゆる「染色体」の状態でしょう。
なお、文献によっては「クロマチン繊維」と「染色体」を完全に区別しているものも
ありますが、「クロマチン繊維」とは染色体の1つの状態である、と理解しておいたほうが
より的確かと思いますので、今回はそのような説明を採用しました。
ココケロくんなるほどなあ。「DNA」「染色体」「クロマチン繊維」、それから「ヌクレオソーム」もか。どれも似たようなものを言ってるけど、ちゃんとみんなそれぞれの意味があるんだね。
ココミちゃんそうね。生物の勉強は用語の定義を正確に覚えることがとっても大切。DNAと染色体ってどういう関係か、ぱっと答えられるようにしといてね。