【生物基礎】シャルガフの規則と二重らせん構造を解説

シャルガフの規則

シャルガフの規則。教科書ではほんの少ししか扱われず、

内容だけ見ると誰でもわかるほど単純明快だ。

どのようなDNAであっても、AとT、GとCの含有量は等しくなる

つまり、あるDNAを調べたときに、Aが20%あればTも同様に20%あり、

Gが30%あれば、Cも同様に30%ある。

なお、このパーセンテージはDNAによってさまざまである。

さて、ではこのシャルガフの規則の本質に迫るために、「検証」を行ってみよう。

我々はDNAが4種類の文字を持っていることを知っているので、

何も考えずテキトーに文字列を作ってみる。

テキトーでいいのか?大丈夫、シャルガフが言っているではないか。

「どのようなDNAであっても」と。

さて、ここに、

ACACCATGCCCG

という文字列を設定した。

シャルガフの規則によると、AとT、GとCの数は同じらしいがどうだろうか。

Aが3個、Tが1個、Gが2個、Cが1個

なんだこれは・・。まったく数が合ってないではないか・・・。

そう、これが、当時の生物学者を悩ませた事実だった。

シャルガフの規則は、どう考えても成立しえなかった。

対構造(ついこうぞう)

何故、シャルガフの規則が成立しないのか。

それは我々が行った「DNAの設定」に問題があった。

現代に生きる私たちはDNAの構造を知っている。

二重らせん構造

そう、DNAは一本ではないのだ。

すなわち、

ACACCATGCCCGの前にはもう一本存在しなければならない。

そしてシャルガフの規則が成立するためには、

Aの前にはT、Gの前にはCがなければならない。

お互いが常に面と向かい合っていれば、数は同数にならざるを得ないからだ。

したがって、

ACACCATGCCCG

TGTGGTACGGGC

と、二本で1つが正しい設定となる。この上で数を数えてみる。

Aが4個、Tが4個、Gが8個、Cが8個。

成立した。

そう、シャルガフの規則は、DNAが一本ではなく、二本であり、

AとT、GとCが向かい合っている対構造であることを示している。

以上から、シャルガフの規則は二本で考えないと成立しない

という当たり前の事実が導かれる。

さて、これが本当に当たり前になっているだろうか。

それは次の問題を解いてみればすぐにわかる。

以上。

勉強頑張ってくださいね。

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