【生物基礎】DNAの二重らせん構造を解説

DNAの二重らせん構造

DNAは、おそらく一本の文字列ではない。これこそがシャルガフが示した「事実」であった。

そう、我々はもう知っているのだが、二本の鎖がDNAの姿だったのだ。

ノートに示してある通り、「リン酸・糖・塩基」の「ヌクレオチド」が繋がった「ヌクレオチド鎖」が二本存在し、お互いに結合している。

結合箇所は4種類の塩基である。AはTと、GはCと向かい合って「水素結合」と呼ばれる結合を行う。

だからこそ、シャルガフの規則は「AとT、GとCが同数」であると主張するのだ。

「シャルガフの規則」と「DNAの二重らせん構造」には密接な関係があり、ここをばらばらに捉えてはいけない。

さて、ノートを注意深く観察すると、それぞれのヌクレオチド鎖は逆方向を向いていることに気が付くはずだ。これを「逆並行」と表現する。

糖が五角形(これを五炭糖という)なため、ヌクレオチド鎖には方向性が存在する

つまり、我々はDNAを考える際、その方向性を考慮する必要性があるということだ。

「生物基礎」段階ではここを意識することはほぼ無いが、「生物」における「DNAの複製」の要となる部分である。

塩基の相補性

正答率の低い用語である。

相補性とは、その漢字の表す通り、相手を補う性質である。

DNAの二重らせん構造の発見者である「ワトソン」と「クリック」は、この構造を発見したときに、「DNAの複製様式に、我々はもちろん気づいている」という旨の記述をしている。

つまり、こういうことだ。

たとえばDNAが一本だとして、「AATTCCG」という塩基配列だったとしよう。

このとき、2つ目のAが何らかの異常で壊れたとする。

すると、塩基配列は「A■TTCCG」となる。■に何か塩基を入れて修復しようとしても、何が入るかまったくわからない。入る可能性は、AとTとCとGの4パターンもある。

しかし、二本鎖だったとすると、こうなる。

「A■TTCCG」

「TTAAGGC」

■の前が「T」なので、■は「A」だと確定する。

そう、二本あることで、片方を参考にもう片方を作り出すことが出来る

まさしく「相手を補う性質」だ。

この「相補性」は塩基が備えている「結合の本数」が違うことから生じている。

AとTは「2本」の水素結合、GとCは「3本」の水素結合でつながっている。

この結合本数の違いは、難関大学でよく出てくるので覚えておくと良い。

DNAの二重らせん構造発見の裏話

ウィルキンスと、フランクリン。

この2人がこの二重らせん構造の発見に大きく関わっている。

ワトソンとクリックがこの構造に気が付いた「決めて」が、フランクリンの「X線回折像」、すなわちDNAの写真だった。

そしてその写真を、フランクリンの許可なく、上司であったウィルキンスが見せてしまったという。

興味がある人は是非調べてみてほしい。

以上。

カエルを試しに塗ってみたら怖くなってしまった。

次からはやめようと思う。