【センター生物】対策&予想問題:第2問

ココケロくん
センター生物の第2問ってものすごく時間かかるんだよな・・・
ココミちゃん
そうね。この第2問はいわゆる「実験考察問題」が多くて、考えるのに時間かかるわよね。
ココケロくん
実験考察にがてだなあ。初めて見るものばかりだし・・・
ココミちゃん
でも、もしそれが「初めて」ではなかったらすごく有利よね。今回はそういう「実験考察のネタ」になりそうな題材を紹介するわ。

目次

センター生物 第2問はどんな大問?

出題範囲は「生殖・発生」の分野であり、

「実験考察問題」が多く出題される時間のかかる大問です。

センター生物の全大問の中で、もっとも時間のかかる可能性が高いため、

過去問演習等では時間に気を配ってみるとよいでしょう。

また、「生殖・発生」分野は「覚えていないと何もできない」問題も多く。

フォークトの原基分布図」や「各胚葉から形成される器官」、「ウニとカエルの発生」はしっかりと確認しておくことにしましょう。

今回は、細々とした知識ではなく、

「実験考察問題」にネタとして使われそうな内容を解説します。

やや発展的な部分ですが、そのまま2次試験対策にもなるかと思われます。

胚のうの卵細胞は上と下、どっち?

さあ、これ、AとBのどっちが卵細胞でしょうか?

ココケロくん
んー。授業のノートでは下に書いたからB?上は反足細胞でしょ?
ココミちゃん
ざんねん。まあこれはちょっといじわるな問題だけどね。

実はこの図からは判別不能です。

このように、どちらの場合もあります。

卵細胞は花粉管が入ってくる方向にあります。

また、花粉管が入ってくる方向には、入るための穴が用意してあります。

胚珠に穴が開いてある方にあるのが卵細胞なのです。

花粉管と浸透圧の関係って?

こちらのグラフをご覧ください。花粉管の外液を3通り変化させたグラフです。
どのように解釈しますか?

ココケロくん
うーん、単純な浸透圧の順番でもなさそうだし・・
ココミちゃん
まあもしこれが出題されたら、消去法で選択肢を切れると思うけどね。

花粉管の伸長は「花粉管細胞に水が流入して膨らむ」ことで起こります。

したがって水が入ってこれるよう、細胞内よりも外液は低張であったほうが花粉管の伸長は進みます。

したがって、20%スクロース溶液よりも低張な蒸留水の方が花粉管は伸長しています。

また、花粉管は伸長する際に、水の流入によって破裂しないように細胞壁を補強していきます。

この補強にはエネルギーが必要なため、

エネルギー源であるスクロースが含まれていた方が伸長は進みます。

よって、「高張すぎずエネルギーが含まれる」10パーセントスクロース溶液が最も花粉管が伸長します。

裸子植物の受精ってどんなかんじ?

要注意:重複受精は被子植物のみ

我々が「重複受精」として学ぶ受精様式は、「被子植物限定」のものです。

では、「裸子植物」はどのようになっているのでしょうか?

逆に言うと、裸子植物は重複受精は行わないと言うことです。

受精は精細胞と卵細胞でのみ行われ、胚乳は受精を伴わずに作られます。

裸子植物の胚乳は、胚のう母細胞から減数分裂を終えた胚のう細胞(ここまでは被子植物とおなじ)が、

分裂することで作り出します。

また、反足細胞や極核といったものもありません。

2つある卵細胞のうち、どちらかが受精に使われます。

被子植物の胚乳は極核2つ(n +n)と精細胞(n)の受精だったので3nでしたが、

裸子植物の胚乳は胚のう細胞(n)が分裂してできるので、nになります。

ココケロくん
被子植物の方が裸子植物よりも進化しているんだよね?

なにをもって「進化している」というかは難しいですが、一般的にはそのように認識されています。

この胚乳の形成も、裸子植物は「受精できるかわからないのに作っている」状態です。

つまり、無駄になる可能性があります。

しかし被子植物は「受精と同時に胚乳を作る」ので、無駄になる可能性は減りますよね。

ショウジョウバエの多核体と濃度勾配の関係?

ショウジョウバエの受精卵には、母性因子である「ビコイドmRNA」と、

「ナノスmRNA」によって、

ビコイドタンパク質とナノスタンパク質の濃度勾配が生まれます。

この「濃度勾配(濃度の濃さの違い)」というのは非常に大事なキーワード、および感覚でして、

細胞はこの濃度勾配を多方面に利用しています。

ショウジョウバエはこのビコイドとナノスの濃度勾配によって、

どちらに頭を作って、どちらに尾をつくるかという「前後軸」を形成しています。

さらに、この濃度勾配の形成に一役買っているのが、

ショウジョウバエの発生初期にある多核体という状態です。

最初に核だけを増やす多核体を形成することで、

細胞の濃度勾配を保つことができるわけです。

このようにショウジョウバエではまず核分裂が複数回起き、その後に細胞質分裂が生じます。

予想問題

【1】助細胞は花粉管を誘引する。

 

◯です。有名な「助細胞破壊実験」がありますね。

卵細胞の横にある助細胞は「ルアー」という物質を出すことで花粉管を誘引します。

なお、この結果、花粉管の先端は助細胞を突き破ることになります。

 

【2】裸子植物の胚乳は3nである。

 

バツです。「子植物」なのか「子植物」なのかはよく見ないといけません。

裸子植物の胚乳は受精を伴わないため、核相はnのままでしたね。

 

 

【3】ショウジョウバエは受精後しばらくの間は細胞質分裂が起こらない。

 

◯ですね。濃度勾配を保つために多核体になるのでした。

 

 

【4】ビコイドタンパク質の濃度が高い方が頭部側になる。

 

◯です。ビコイドとナノスのタンパク質は前後軸を形成します。

 

【5】重複受精は種子植物特有の受精様式である。

 

バツです。「種子植物」には「被子植物と裸子植物」が含まれます。

重複受精は被子植物のみの受精様式です。